法師の守り神②
前回は、法師家に代々伝わる仏さまのお話でしたが、今回は玄関の道の真ん中で400年程の間お越し頂く皆様を見守り続けている黄門杉のお話です。
この黄門杉、江戸時代に前田利常公が小松城に隠居され那谷寺詣での際にお手植えされたとか。よく、水戸黄門様と間違われるのですが、中納言になられたお方を当時は黄門様と呼んでおられたことから、前田利常=黄門様となりお手植えされたのが黄門様であられたことから、「黄門杉」と呼ばれるようになったそうです。
依頼400年程の長きにわたり法師の顔としてお客様、従業員、粟津町の皆さんを見守っておられます。
その間には、落雷にあったり粟津の大火があったりといくつもの事件があったそうですが常に法師をお守り頂き、難を逃れてきたと聞き及んでおります。
そんな黄門杉ですので外も中身も黒化しており支えの支柱がなければ立っているのもやっとだそうで、46代善五郎が若い折には台風の度に黄門杉が折れないよう先々代と綱手補強して守っていたそうです。
いつのころからか黄門杉を見上げると龍のごとき枝が現れ、龍神さまが黄門杉に乗り移り粟津温泉を見守っておられるようなそんな感じにさえなってきます。
因みに、その黄門杉ですが以前から同じ遺伝子の杉を育てているそうです。
黄門杉もちゃんと次の時代を見据えているそんな気になります。
令和2年11月21日
法師番頭の与太話