粟津八景
ここに描かれておりますのは、粟津八景と申します。
江戸時代安政三年に描かれた景色の中に、法師旅館があるではないですか。
一つの旅館が景色に取り上げられるなんて凄い所だと改めて思っております。
そんな粟津八景をご紹介いたします。
「粟津の行客」(あわづのこうかく)
古くから病に効くと言われておりましたので、粟津の湯に浸かりに来られるお客様のそれぞれの楽しみや入浴される姿という所でしょうか。
「帯山横霞」(おびしやまおうか)
遠く連なる山並みに帯のように広がる霞、その変化する色合いやら遠目に見たり登ってみたりしながら温泉と共に楽しんだのでしょう。
「牙湖漁艇」(きばがたぎょてい)
現在の「木場潟」になります。そこでの漁の風景ですね。昔はそこで取れた魚が夕食だったのでしょうか。
「白峯餘雪」(はくほうよせつ)
ひと際白く輝く白山の山並みを春の温かな陽気の中、酒と共に楽しんでいたのでしょう。
「前山子規」(ぜんざんほととぎす)
当館の前のお山です。かつては鶯の囀りを楽しんでいたんですね。現在は毎年春から夏は白鷺が花のように集まっておりますが…。
「大王秋月」(だいおうしゅうげつ)
粟津温泉の湯薬師さんが祀られております大王寺さん。そこでみる秋月は今も最高ですよ。
「雅亮清泉」(がりょうせいせん)
かつて湧き出ていた粟津の湧き水です。現在は枯れてしまいましたが、本当に美味しいお水だったそうです。今は、「大岩不動尊」が祀られております。
「法師眺望」(ほうしちょうぼう)
風光一番とは有り難い限りです。
お見えになられた際は、フロントロビーと大浴場前にございますので是非ご覧くださいませ。
令和3年5月
法師番頭の与太話